千葉商科大学大学院ファイナンス研究科の環境会計の講義を4月から7月まで聴講生として受講しました。
その内容についてまとめました。
講義を通じて最も重視されたことは、環境を何で計るのかということでした。
環境分野の非財務情報については、企業でも統合報告書などが作成され、様々な指標で計られているところです。
今回学んだ吉田寛教授の教えでは、生物多様性の観点が重要ということでした。
たとえばトンボの数であったり、観察しやすく影響が出やすい生物を指標にすることで見えてくるものがあるということを学びました。
生き物への影響
講義を通じて最も印象に残ったのは、環境の変化は生態系の中で弱い立場にいる生物から影響を受けるということでした。
過去の公害事件を振り返ると、人間社会が大きな被害を受ける前に、川の魚たちが姿を消していったことがわかりました。
例えば、足尾銅山鉱毒事件では、1885年頃から渡良瀬川でアユの大量死が確認され、サケの漁獲量も激減したという事実があります。
私たちは、人間への影響が出る前に、環境の変化に気づく必要があると感じました。
そのためには、生態系の変化に敏感な生き物たちに気を配ることが重要と感じました。
環境は「自由財」ではなく「継承財」
環境は長い間、誰もが自由に使える「自由財」として扱われていました。
しかし、現在は、環境は有限であり、次世代に引き継ぐべき大切な「継承財」だと認識されています。
この貴重な財産を守り、育て、そして次の世代に引き継ぐ責任があると感じました。
環境会計の重要性と課題
環境会計は、企業や行政が環境保全活動のコストと効果を定量的に評価する手法であると考えています。
しかし、これまで多くの組織で環境会計が実施されてこなかった理由がありました。
1.経済的利益が優先されてきたこと
2.環境会計の認知度と必要性の低さ
3.既存の会計システムとの不整合
4.明確な規制やガイドラインの不足
5.社会からのプレッシャーの欠如
これらの課題を克服し、環境会計を積極的に導入していくことが、持続可能な社会の実現には不可欠であると感じました。
高砂市では現在、「第2次高砂市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」と「第5次高砂市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」という計画があり、それぞれ進捗管理が行われています。
ただ、その中で環境を数字で計り、把握するという観点は欠けているように感じています。
学んだことを今後、市政に活かしていきたく思います。
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