12月定例会での質疑内容の中から、高砂市民病院の単年度資金不足についてお知らせします。
12月定例会で示された決算見込みでは、約8億3000万円の単年度資金不足が発生する見込みであることが明らかになりました。
高砂市民病院の単年度資金不足に対する繰入は、通常だと3月定例会に行います。
ただ、大幅な単年度資金不足が見込まれ、年度内の資金不足発生の可能性が高い場合、12月定例会に一定の額の繰入が提案されます。
今回は当初6億6400万円と見込まれていた単年度資金不足が8億3000万円に拡大する見込みであるとのことで、資金不足の補填が提案されました。
高砂市民病院では、本年1月に「高砂市民病院将来構想」、3月に「高砂市民病院経営強化プラン」を策定し、経営改善に取り組んでいるところです。
この度の資金不足の原因は、
・急性期一般病棟入院基本料のランクダウンに伴う収益減
・人事院勧告の影響を含む人件費の増加
が含まれるということで、一概に経営悪化が甚だしいというわけでもないことが伺えます。
ただ、経営改善が進まない中で外的要因も相まって、今回の単年度資金不足が発生していると考えられます。
本会議での質疑では、今後
・医師数の増加:常勤の専門医が2名増える予定
・健診の拡充:日曜健診をはじめとする人間ドッグと健診の増加を目指す
という改善策があることは明らかになりましたが、同時に抜本的な経営改善策があるわけではないという見解も示されました。
「高砂市民病院将来構想」でも様々な改善策が示されていますが、一部は新病院開設後の着手が考えられており、現在進められている経営改善策は限られているように見受けられます。
将来構想では、令和8年度中に将来予測を行い、「新病院開院予定年度以降10年間の平均基準外繰出金が4億円程度を維持する」見通しができない場合、経営形態を含めた経営判断が必要とされています。
今回の8億3000万円の単年度資金不足見込みは、この基準からみても非常に厳しい状況であると私は考えています。
今後は、建て替えを含めて慎重に状況を見極めながら、経営改善について確認し、提言していく必要があると考えています。
皆様からのご意見もぜひお寄せいただければ幸いです。
この記事へのコメントはありません。