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市長の新型コロナワクチン接種について

昨日の新聞やニュースで市長が集団接種会場で余ったワクチンを接種されたことが明らかになりました。このことは一昨日行われた会派代表者会にて、議員にも報告されました。

報道を受けて、「市長だったら接種順序を逸脱して接種できるのか」などというお叱りの声、「余ったワクチンなのだから有効利用すればよい」「なにも悪いことではない」などという支持の声、どちらも耳にします。

それでも私は、「全く問題がなかった」とは言いがたいと感じています。
まだまだ課題のすべてが整理できているわけではありませんが、何が問題で、今後どうあると良いのか、私の考えをまとめたいと思います。

【課題①】余ったワクチンの取り扱いが不明瞭であった

そもそも現在行われている集団接種は80歳以上が対象で、61歳の市長は対象ではありません。
ワクチン接種の順番は国と自治体で決められており、市民の皆さんはその順番を守りながら接種しています。
その中で、市長は集団接種の会場で余ったワクチンを接種したということです。
新型コロナワクチンの接種については、これまで何度か議会で協議する場がありました。
そこでは、当日のキャンセル者の取り扱いについて、「余ったワクチンは会場でワクチン接種に従事している医療従事者やワクチン事務従事者が接種する」と伺っていました。

今回、この「事務従事者」に市長が該当し、接種したとのことですので、表面上は問題ないと感じられるところです。
しかしながら、少なくとも私は、この「事務従事者」に市長が該当するとは認識していませんでしたし、その場の説明はそのようなニュアンスではなかったと感じていました。
この点については、「事務従事者」とは何かをもう少し明らかにしておくべきであったと考えています。

【課題②】事務従事者の中でも、市長は優先的に接種するべきであったのか

これまで、余ったワクチンで明らかになっているのは、4月17日分の1人分と今回問題となった5月8日分の4人分です。
4月24日の集団接種については、余ったワクチンは明らかになっていません。
その中で、4月17日分の1人分と5月8日の市長分以外の3人分は医療従事者に接種されたとのことです。
つまり、明らかになっているもののうち、事務従事者が接種した例は1件のみでそれが市長だということになります。

確かに市長は市のトップです。そしてワクチン接種会場の責任者です。
ですので、接種も一番であって当然なのかもしれません。
しかしながら、会場には市民と直接対面で事務を行う必要のある、市長よりもリスクが高いと考えられる職員がいたことも事実です。
そのような中で、今回の課題は、事務従事者の中での接種基準が設けられていなかったことが課題であったように思います。
この点についても、市民からの不信が募らないよう、基準を設けるべきだと考えます。

【課題③】そもそも市長は毎回接種会場に行く必要があったのか

今回の件では、「毎回接種会場に赴いてた市長も余剰ワクチンの取り扱いの考え方に基づき接種した」と報告をいただいています。
しかしながら、責任者ではあるとはいえ、必要最小限が求められる緊急事態宣言中において、毎回接種会場に赴く必要があったのか、ということは確認しておく必要があるのではないかと考えています。
初回の集団接種となった4月17日などは、現場確認の必要はあったのかもしれません。
しかし、その後毎回、現地にいる必要はなかったのではないか。
順調にいっているならば、もっと他にするべきことがあったのではないか。
この緊急事態宣言下で優先すべきはなにか、現場には市長が必ず必要か、確認する必要があると感じています。

総じて私は、このような非常時こそ、ルールを設け、ルールを守り運用しなければ市民の皆さんの不信が募ると考えます。そして、ルールを変えるのであれば、多くの方に示した上で変える必要があると考えます。今回、ルールに曖昧な点があったことは、事前に報告を受けていた議員として、改善を求める必要があったと反省しているところです。

この市長のコロナワクチン接種については、5月19日に開催予定の議会運営委員会にて、事実確認などが行われる予定となっています。
緊急事態宣言のさなかで、わざわざ取り扱う課題ではないと感じられる方もいらっしゃることと思いますが、上述したように少なからず課題がある案件であり、今後改善する必要がある点が何点か考えられるのも事実です。

不信感を抱かれている市民の皆さんの思いが反映できるよう、確認ができればと思います。
また、市長にはせっかくワクチンを打たれたことなので、しっかりリーダーシップを発揮いただき、必要な現場に出て職務にあたっていただくことを期待したく思います。

コメント

    • 伊藤誠規
    • 2021年 5月 16日 10:56pm

    市長の新型コロナワクチン接種について、市長が集団接種会場で余ったワクチンを接種されたこと に対する意見

    議員が、課題として指摘されている事は 確かに問題だと考えます。
    根本的には国のワクチン接種に関する準備不足・制度設計の不備・行動の遅延がこの混乱を全国的に生じさせている原因だと考えます。
    しかし、比較的上手く早期の接種を進めている所もある中で、悪い見本として全国に晒されるのはその市民として辛いです。
    接種業務を国から任されている地方自治体の責務として、国に不備があるにしても住民に寄り添って行うのが市役所及びその責任者たる
    市長のあるべき姿だと考えますが、非常に残念な思いを捨てきれません。
    この様な姿勢で市政の運営をされるのは、今後は是非 止めて頂きたい。
    もっと、その市民を考えてくれる市に住民登録を移したいと強く思います。

    [何が問題と感じるか]

    問題 a. 市民の感情を理解出来ていないのでは?
     5/13に城里の上遠野町長及び町職員などが医療従事者と偽って先行接種をした事がニュースとなり、城里町議会も問題視。
    その後、都倉市長も先行接種していた事を神戸新聞から問われて、『監督者として接種会場に毎回来ており、高齢者への感染対策にもなる』
    と強調していたと記事に書かれています。
    その後、慌てて翌5/14に市HPに「接種会場においてキャンセルされたワクチンの取り扱いについて」のコメントを発表しました。
    そのコメントでは、『・・廃棄を避けるため会場において医療従事者や事務従事者の未接種者に対してキャンセルされたワクチンを接種する
    というルールで対応。今後もこのルールにより、・・同様に接種し、廃棄を発生させないよう対応。ワクチン接種を予約当日に接種できない方は、
    できるだけ早くご連絡願う。』となっています。
    これを読むと、まるで「予約をキャンセルした方が悪くて、自分達が代わりに接種して廃棄を防いでいる。」と言っている様です。
    多くの国民が問題視しているのはルール非公表ではなくて、市長・市関係職員が内輪で勝手に決めて行っていた事が、公平性に欠けると
    判断され、報道もその理解で取り上げたと考えます。
    それに対して、城里町長は、公平でなかったことを謝罪した様ですが、都倉市長並びに高砂市関係職員の居直りの姿勢には失望を感じえません。

    問題 b. 医療従事者の定義を理解していないのでは?
     厚労省からワクチン接種に関する「接種順位の考え方」が明確に示されております。
    https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000756894.pdf
    医療従事者を最優先して最初に接種する順位にした理由が明記されており、接種順位と対象者はこの基本に沿って設定する必要がある。
    ・業務の特性として、感染者や多くの疑い患者と頻繁に接することから、感染の機会が極めて高い。
    ・従事者のリスク軽減は医療提供体制の確保の為に必要。
    ・ワクチンの基本的な性能は発症予防・重症化予防で感染予防ではないことから、患者への感染予防を目的とした接種をしない。
     (接種会場での都倉市長の『高齢者への感染予防になる』は、厚労省が目的を誤らない様に特に注意をしている誤った事例に該当する)

    問題 c. 厚労省の医療従事者の範囲についての例題を、拡大解釈しているのでは?
    同上の厚労省からの指示の中で、医療従事者等の範囲についての例題が説明されており、「自治体等の感染症患者に頻繁に接する業務を行う者の例として
    4例挙げられている。
    ・保険所職員(高砂市では保険所が無いので該当しない
    ・宿泊療養施設で頻繁に患者と接する者
    ・患者移送を行う者(救急隊員は別項目で対象者として例記されている)
    ・ 自治体が予防接種の特設会場を設ける場合に、予防接種業務に従事する者であって、新型コロナウイルス感染症患者と頻繁に接すると自治体が判断した者
    この4番目の自治体が判断した者が、拡大解釈されている可能性がある。

    「接種会場において感染患者と頻繁に接する者」を自治体が定める際に、最初に厚労省が明記している医療従事者の考え方(前記b.)に沿って
    厳密に規定をする必要がある。
    今回の都倉市長のコメントからは、それが全く不明であり、自治体で何でも規定出来ると拡大解釈して誤った判断をしてしまっていると思われる。
    常識的に考えて、会場の運営責任者として会場に来ているだけの人や、短時間しか接種希望者に接するだけの事務者は、厚労省が規定した医療従事者の範囲に
    該当していないと思われる。
    高砂市は、具体的な業務内容から感染者と濃厚接触する可能性がある理由を、この厚労省に指示に照らして具体的かつ明確に説明をする責任があると考える。
    (内閣担当大臣からも、自治体・市長に対してこのことの明確な説明をする様に言われていた筈)

    問題 d. 廃棄が本当に無駄なのか? 安全を優先すれば一定量の廃棄は当然。
     現在接種に使用されている Pfizer社のワクチンは、初めてのm-RNA型で従来と大きく異なる取り扱い上の注意点がある様です。
    (ワクチンの添付文書に記載されている)
    特に冷凍保管されているバイアル(瓶)を常温まで解凍して生理食塩水で6倍に薄める迄の希釈プロセスとその温度管理方法が厳密に規定されております。
    高砂市では、どの様な解凍方法か不承知ですが、冷蔵保管庫で通常解凍(5日間以内)を行なわずに常温で急速解凍して希釈(2時間以内)する運用をされているならば、
    その後6時間以内に接種完了を終えなければならないとなっています。
    また、希釈したバイアル(瓶)は冷暗所に保管し照明(特にUV)に晒してはならないと注意されています。
    当然、これらは規定通りに運用管理されていると思いたいですが、ニュースを見ると他自治体では明らかに守られていない映像が流れる事があります。
    高砂市のHPを見ても、殆どワクチン接種に関する情報が無く、特に今回の問題の様に本ワクチンの特性などを理解していないで実施計画をしている事は無いか、
    高砂市を本当に信じて安全なのか非常に不安に感じます。

    更に、特例承認された安全確認の過程にあるワクチンであるため、厚労省も安全に特に留意を払っており、問診を厳密に実施して不適当者に接種する事を防止する様に
    要請しています。問診で確認するべき注意事項も厚労省は詳しく随時公開・改定をしておりますが、高砂市の接種運用責任者はそれらを遅滞なくチェックして
    運用改定を行っているのでしょうか。
    ワクチンが余ったからと言って、そこに居る人に急に接種する運用からは、問診などが厳密に実施される姿勢が感じられません。
    問診の結果によっては、接種不適当と問診医が判定し、接種キャンセルとなる可能性もあります。

    単に予約の日程だけでなく、これらの医療上の安全対策をどう計画・実施・運用しているかなど接種を受けるかもしれない市民が安心できる情報開示が是非必要です。
    (今回、私が上に記載した様な厚労省なのの情報は、加古川市のワクチンサイトから確認しました。なぜ高砂市民が加古川市の情報を頼りにしなければならないのでしょう。)

    今回のワクチンは使用直前にバイアル(瓶)で6倍に希釈して接種をするので、6回分単位でしか運用出来ません。また、接種ミスなどで
    使用出来ないなどの事も発生をしても、短時間で急に解凍・希釈が出来ないので、必ず何%かの予備の希釈済みバイアルを準備する筈です。従ってキャンセルが無くても予備分などの未使用は必ず発生をします。
    高砂市の説明は、この様な点からも信じ難い内容です。
    もし、予備無しでギリギリの運用を計画しているのなら、希釈不良などで固形物が有るなどの不良なワクチンのバイアル(瓶)が注射器に吸い出す時の最終確認で見つかっても、
    その不良な不良ワクチンを接種されるのではないか。それは堪りません。

    本論に戻って、今回の特殊なワクチン接種に当たっては、「廃棄ロスが勿体ないと言うよりも、安全性優先」の思想を是非採用して頂きたい。
    余ったから、その場にいる人に接種するとの考え方からは安全優先とはとても考えられません。安全の確信が得られない物は廃棄するの考え方です。

    元々Pfizerのワクチン取り扱いでは、使用する注射器の構造からも、幾らかの廃棄分が必ず発生する安全優先を前提にしているので、
    勿体ない論よりも、安全を最優先とした考えに戻って最大限安全なワクチン接種の計画を感染医療の専門家のレビューを受けて確立して欲しいと切に希望します。

    ところで、現在ワクチン接種が遅れている主たる原因は、ワクチンの不足では無く接種体制の遅れではないか。ワクチン供給元のPfizer社があるEUからも
    日本に輸出済みのワクチンが半分も使用されていない遅れを指摘されている。
    国のワクチン配送遅れの問題もあるかも知れませんが、必要量を高砂市民の為に確保するのは都倉市長の最低限の責務ではないでしょうか。
    (接種体制の迅速化についての意見は、別記します。)

      • 島津明香
      • 2021年 5月 22日 2:19pm

      コメントありがとうございます。
      おっしゃるとおり、今回の件は市民感情を理解できていなかったために起こったものであると感じています。
      ご指摘の問題aについては、他の議員の方も指摘されている点であり、私もそのとおりであると感じています。
      キャンセルするのであれば事前に連絡を、というのは、難しいケースも考えられますし、
      実際に接種会場に行かれた方でも問診次第ではキャンセルになる場合もあります。
      市民の対するメッセージで、あのような言及は必要なかったと考えます。

      問題b、cについては、19日の議会運営委員会で明らかになりました。
      この医療従事者等の、「ワクチン接種事務に従事するもの」を拡大解釈し、
      市長も該当すると考えたようです。
      その認識は間違っていた、と市長も答弁をされました。

      問題dについては、見解が様々ありますが、ワクチン接種の主導である国は
      できるだけ廃棄をなくし、無駄にしないよう、との考え方のようです。
      自治体はあくまで事務を担うだけですので、
      基本的にはこの国の考え方に則ることになると考えられます。
      本来であれば、ご指摘のとおり、十分なワクチンが確保されていれば、このような問題は起こらないのですが。

      いずれにせよ、今回の件の原因を明らかにし、市民の皆さんが安心して接種できるように
      尽力していきたく思います。

    • 伊藤誠規
    • 2021年 5月 16日 11:45pm

    希望する全員がワクチン接種を遅滞無く受けられるのであれば、市長が少し先に接種をしても それ程に問題とは言われないでしょう。
    市民は「待ってください」と言われているので、待っています。
    国は、少なくとも7月中に高齢者への接種(2回)を完了させる目標を掲げていますが、高砂市からは その対応が何も示されていないので段々と不安に感じ始めています。
    色々制約があると思いますので、難しい面があるとは思いますが、高砂市はどの様に努力をしているのか、いつ迄待てば良いのか、そろそろ市民に説明をしないと、我慢の限界を超える様に思います。
    例えば、
    ・何故週に2日間しか接種をしないのでしょうか。
    (医療従事者の確保が出来ない等の理由があるにしても、改善努力が市民からは見えていません。)
    ・1日に接種できる数を増やす方法は本当に無いのですか。
    (15分ピッチでの接種計画の様ですが、実際に時間を十分確保しなければならないのは、問診だと思います。それを短縮出来きて仮に5分ピッチに出来れば、同じ医療従事者数でも3倍の市民に接種できます。)
    ・事前の問診(web診察など)、判りませんが工夫をされているのが市民から見えれば、納得しやすいと思います。

    情報不足が市民を不安にしているのでは ないでしょうか。

      • 島津明香
      • 2021年 5月 22日 2:24pm

      高砂市は他市町と比べると、接種は進んでいる方であり、その点については私は良いと思っています。
      もちろん、待たれている方にとっては、不安が大きいことは理解していますが。

      土日にしか行えないのは、医療従事者はもちろん、事務従事者も必要となり、
      市役所業務と同時刻に行うことが困難であるからです。

      集団接種については、
      75歳以上の高齢者に対しては、5月19日に接種券が発送され、5月24日から予約がスタート、
      65歳以上の高齢者に対しては、5月25日に接種券が発送され、5月31日から予約がスタートします。
      各診療所での個別接種は、6月1日から予約受付の予定です。

      詳細は広報たかさご6月号に掲載されますので、そちらをご確認ください。

    • 高砂市民
    • 2021年 5月 21日 12:05am

    市長が第1回目を接種したということは、必然的に3週間後に第2回目を接種することになる。お忙しい市長にとって大丈夫かな?それとも、余裕!
    ところで、話は変わりますが、放置自転車の確認、1ッか月が過ぎましたがどうなりましたでしょうか?

      • 島津明香
      • 2021年 5月 22日 2:07pm

      コメントありがとうございます。
      市長は毎回接種会場に行かれているということなので、今後もそれを続けられるなら、2回目接種も問題ないと思われます。
      放置自転車の件は駅整備の投稿にコメントさせていただきます。

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